メキシコと聞いて、何を連想するでしょうか?テキーラ、カンクン、リメンバーミー、陽気なラテンの人々といった明るいイメージに続いて、麻薬やマフィアといった危険なイメージも思い浮かべるかもしれません。
日本は世界でもトップクラスの安全な国ですが、残念ながらメキシコは治安が良くない国として分類されています。国内には「カルテル」と呼ばれる麻薬組織が複数存在しており、カルテル同士の抗争や警察との衝突が実際に起こっています。ただし、こうした事件や殺人の主な標的は、麻薬関係者や犯罪組織の関係者、治安当局者などです。
とはいえ、カルテル同士の抗争に一般市民が巻き込まれる事件が稀に発生するほか、強盗や窃盗などの犯罪が多いのも事実です。
安全対策の基本は、正しい情報を知り、危険を予知し、犯罪に巻き込まれないようにすることです。今回は、メキシコでの勤務を検討されている皆様に向けて、『メキシコの治安と安全の手引き』をお届けいたします。
気になるメキシコの治安、安全の手引き
海外に在住する日本人が参考にしている治安情報があります。
これは外務省が発表しており、治安状況に応じて随時更新されます。国単位ではなく、地域ごとに詳細なレベルで示されています。メキシコに会社を構える日系企業が指針として利用しているほか、メキシコ在住の日本人が国内旅行をする際にも参考にされています。治安レベルは、以下の4つに分かれています。
2024年9月時点で、日本人が多く住む州の状況は以下の通りです。
タイムリーな治安情報を取得することは、危険を予知するために非常に重要です。外務省が海外在住の日本人のために提供している「在留届」に登録すると、治安状況が変わった場合や、近隣で犯罪が発生した場合などに、外務省や大使館、領事館から安全に関する情報が逐次配信されるだけでなく、日本人が事件や事故、災害に遭った際には、安否確認、緊急連絡、救援活動、留守宅への連絡などが迅速に行われます。
最近発信された情報の一例として、グアナファト州のセラヤ、サラマンカ、イラプアト、レオン市を結ぶ幹線道路で車両強盗が複数発生しているとへの注意喚起や、観光地カンクンでマフィア絡みの発砲事件の発生に対する注意喚起などがあります。これらの情報はメールで届くため、通勤や旅行の際の心構えや対策に役立ちます。
外務省「オンライン在留届」
メキシコのみならず、海外ではどの国においても「自らの安全は自らで守る」という意識が必要だと言われています。安全に過ごすために、外務省から以下の注意事項が推奨されています。
用心していても、残念ながら犯罪に巻き込まれてしまうケースがあります。恐喝や強盗に遭った場合は、決して抵抗せず、犯人の要求に従ってください。犯人が武器を持っていたり、近くに仲間がいる可能性もあるため、自分で制圧しようとしないでください。犯人の目的は金銭であることが多いため、抵抗せず全てを差し出すことで、怪我を負うリスクが下がります。
犯人が車や金品を奪って逃走した後は、日本大使館・領事館、警察、所属企業などに連絡してください。携帯電話を取られた場合は、近くの人やコンビニエンスストア、店舗で助けを求めましょう。犯罪に遭った際に備えて、靴の中敷きにお金や連絡先をメモした紙を入れておくことも有効です。
メキシコの日本人コミュニティや現地当局が治安改善に力を注いでいますが、すぐに日本のように安全な国になるのは難しいでしょう。日本人は「安全ボケ」しているため、海外で危ない目に遭うと揶揄されることもありますが、安全であるということは何にも代えがたい素晴らしい長所です。安全の大切さを知る日本人だからこそ、トラブルに巻き込まれないよう気を配りながら、海外生活を楽しみたいものです。
メキシコは、温かいラテンの人々、美しい自然、独自の文化など魅力にあふれており、何年住んでいても飽きることがありません。危険を回避するアンテナを張りつつ、メキシコでの生活を存分に楽しみたいものです。この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
このようなリアルな治安情報なども弊社では面談時にお伝えしていますので、より具体的に聞きたいことなどがありましたら、ぜひご登録下さいませ。
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