気になるメキシコの治安、安全の手引き


投稿日 : 2024年 10 月 02日   更新日 : 2024年 10 月 02日   カテゴリー :メキシコで暮らす

メキシコと聞いて、何を連想するでしょうか?テキーラ、カンクン、リメンバーミー、陽気なラテンの人々といった明るいイメージに続いて、麻薬やマフィアといった危険なイメージも思い浮かべるかもしれません。
日本は世界でもトップクラスの安全な国ですが、残念ながらメキシコは治安が良くない国として分類されています。国内には「カルテル」と呼ばれる麻薬組織が複数存在しており、カルテル同士の抗争や警察との衝突が実際に起こっています。ただし、こうした事件や殺人の主な標的は、麻薬関係者や犯罪組織の関係者、治安当局者などです。
とはいえ、カルテル同士の抗争に一般市民が巻き込まれる事件が稀に発生するほか、強盗や窃盗などの犯罪が多いのも事実です。
安全対策の基本は、正しい情報を知り、危険を予知し、犯罪に巻き込まれないようにすることです。今回は、メキシコでの勤務を検討されている皆様に向けて、『メキシコの治安と安全の手引き』をお届けいたします。

1、メキシコの治安の現状

海外に在住する日本人が参考にしている治安情報があります。
これは外務省が発表しており、治安状況に応じて随時更新されます。国単位ではなく、地域ごとに詳細なレベルで示されています。メキシコに会社を構える日系企業が指針として利用しているほか、メキシコ在住の日本人が国内旅行をする際にも参考にされています。治安レベルは、以下の4つに分かれています。

  • レベル0:注意喚起はでていません。
  • レベル1:十分に注意してください。
  • レベル2:不要不急の外出は止めてください。
  • レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)。
  • レベル4:退避してください。渡航はやめてください(退避勧告)。
細かい地域ごとにレベル区分がされているため、国全体や各州の治安を一括して表現するのは適切ではないかもしれません。しかし、州や国土の面積比で見ると、メキシコは概ねレベル1の国に該当します。32州のうち、レベル0(特別な注意喚起がない)は8州(一部レベル1の地域あり)、レベル1は18州(一部レベル2の地域あり)、レベル2は6州(一部レベル3の地域あり)、州全体がレベル3以上に分類されるところはありません。

2024年9月時点で、日本人が多く住む州の状況は以下の通りです。

  • メキシコシティ・メキシコ州:レベル1
  • グアナファト州:レベル1~2
  • アグアスカリエンテス州:レベル0
  • サンルイスポトシ州:レベル1
  • ケレタロ州:レベル0
  • ヌエボレオン州(モンテレイ大都市圏):レベル1
  • ハリスコ州:レベル1
外務省「海外安全ホームページ:メキシコ

2、タイムリーな治安情報を知るために

タイムリーな治安情報を取得することは、危険を予知するために非常に重要です。外務省が海外在住の日本人のために提供している「在留届」に登録すると、治安状況が変わった場合や、近隣で犯罪が発生した場合などに、外務省や大使館、領事館から安全に関する情報が逐次配信されるだけでなく、日本人が事件や事故、災害に遭った際には、安否確認、緊急連絡、救援活動、留守宅への連絡などが迅速に行われます。
最近発信された情報の一例として、グアナファト州のセラヤ、サラマンカ、イラプアト、レオン市を結ぶ幹線道路で車両強盗が複数発生しているとへの注意喚起や、観光地カンクンでマフィア絡みの発砲事件の発生に対する注意喚起などがあります。これらの情報はメールで届くため、通勤や旅行の際の心構えや対策に役立ちます。
外務省「オンライン在留届

3、安全のために

メキシコのみならず、海外ではどの国においても「自らの安全は自らで守る」という意識が必要だと言われています。安全に過ごすために、外務省から以下の注意事項が推奨されています。

  • 目立たない
    犯罪を計画している人の注意を引くような行動は控えましょう。例えば、歩きながら携帯電話で話す、お店やレストランでノートPCを取り出して作業する、人の利用が少ない時間帯や場所でATMやコンビニを利用するなど、ターゲットになりやすい行動は避けましょう。
  • 行動を予測されない
    通勤ルート、朝食やコーヒーを購入する店、夕食を取るレストランなど曜日や時間、道順をパターン化すると、犯罪者に犯行計画を立てられやすくなります。毎回変更するのは難しいですが、たまに時間帯やルートを変えて、予測されにくい日常パターンを心がけましょう。また、長期間家を空ける際には、住居の警備員や近隣の人に留守を知らせないようにして、空き巣犯に情報が伝わらないようにしましょう。
  • 用心を怠らない
    暗くなったら外出しない、人や家の少ない路地や高架下を歩かない、交通量が減る早朝や夜間には極力運転や外出を控えるなど、危険な場所や時間帯を避けることが大切です。日常的に、状況に応じて警戒心を高めることで、犯罪に遭うリスクを低くすることができます。また、窃盗を防ぐために、貴重品や荷物は常に身につけておく習慣をつけましょう。レストランで席を離れる時や、車に荷物を置いてコンビニに入っている間に盗難に遭うケースも発生しています。
外務省「メキシコ安全対策基礎データ

4、犯罪に遭ってしまったら

用心していても、残念ながら犯罪に巻き込まれてしまうケースがあります。恐喝や強盗に遭った場合は、決して抵抗せず、犯人の要求に従ってください。犯人が武器を持っていたり、近くに仲間がいる可能性もあるため、自分で制圧しようとしないでください。犯人の目的は金銭であることが多いため、抵抗せず全てを差し出すことで、怪我を負うリスクが下がります。
犯人が車や金品を奪って逃走した後は、日本大使館・領事館、警察、所属企業などに連絡してください。携帯電話を取られた場合は、近くの人やコンビニエンスストア、店舗で助けを求めましょう。犯罪に遭った際に備えて、靴の中敷きにお金や連絡先をメモした紙を入れておくことも有効です。

  • 緊急通報:メキシコ全国共通「911」
  • 在メキシコ日本大使館:「+52-55- 5211-0028(代表番号が不通の場合: +52-55-5091-3081) 」
  • 在レオン日本国総領事館:「+52-477- 343-4800(代表番号が不通の場合: +52-55-5091-3081) 」
州警察などが提供する独自の通報システムも活用してください。
  • グアナファト州ジャパンデスク:「01-800-976-7486 」(日本語対応可能)

5、まとめ

メキシコの日本人コミュニティや現地当局が治安改善に力を注いでいますが、すぐに日本のように安全な国になるのは難しいでしょう。日本人は「安全ボケ」しているため、海外で危ない目に遭うと揶揄されることもありますが、安全であるということは何にも代えがたい素晴らしい長所です。安全の大切さを知る日本人だからこそ、トラブルに巻き込まれないよう気を配りながら、海外生活を楽しみたいものです。
メキシコは、温かいラテンの人々、美しい自然、独自の文化など魅力にあふれており、何年住んでいても飽きることがありません。危険を回避するアンテナを張りつつ、メキシコでの生活を存分に楽しみたいものです。この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
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