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メキシコ生活をスタートするにあたり、病気にかかった時の医療や保険事情が気になるところではないでしょうか。また日本から送り出すご家族が心配される点でもあることでしょう。
実は世界的に見てもメキシコの医療レベルは一定の水準にあり、都市部の私立病院のなかには、日本と比較しても遜色ないレベルの病院もあります。今回は、メキシコの医療・保険事情をご紹介いたします。
メキシコで病気にかかったら
メキシコの病院は公立病院と私立病院に分けられます。公立病院(IMSS)は概して機材や設備が老朽化していたり、患者が集中することにより迅速な診察や治療が受けられないケースがあるため、在メキシコの日本人の多くは私立病院を受診することが多い現状です。都市部の大きな私立病院のなかには設備が整っており日本と遜色ない病院もあり、加えて日本人医師の診察や日本語医療通訳サービスが受けられるところもあります。詳しくは後半でご紹介します。
費用面では、公立病院は社会保険で無料で治療を受けられますが、私立病院の医療費は日本と異なり全額自己負担で概して高額になります。
参考:外務省「メキシコの医療事情」
都市部の大きな私立病院は日本と同じように各科に分かれていますが、弊社があるアグアスカリエンテス州やグアナファト州の私立総合病院の場合は日本の病院とは少し仕組みが違い、救急、ラボラトリー、入院棟の看護師、技師、薬剤師、医師などは病院勤務ですが、それ以外は総合病院の建物の中に独立した医師がそれぞれ自分の診察室を持ち開業しています。その為、一つの総合病院に何人も同じ科の医師が勤務しており、受付や支払いも医師毎に行うことが一般的です。救急以外の診察は自分が選んだ医師の受付を介して予約を行います。検査や入院が必要な際にも、医師の指示で医師が開業している総合病院のラボラトリーとは別のところで検査を受けたり、別の病院に計画入院をしたりすることもあります。とはいえ、救急にかかった患者が専門医の診察が必要な場合には、病院と医師が連携を取り開業医が救急患者の診察を行うこともあります。
私立病院の費用の一例を示します。
メキシコの民間企業で就労する正規労働者は、社会保険庁の公的医療保険(IMSS)に加入する義務があり、ほとんどの日系企業の駐在員および現地採用の方はこの社会保険IMSSに加入します。その他にも、公務員向けのISSTE、軍隊関係者向けのISSFAM、石油公社で働いている人のためのPEMEX、社会保険に加入していない人達のための大衆保険(INSABI/IMSS Bienestar)などがあります。
また、医療保険のほかに民間保険会社が提供する私的医療保険があります。私的医療保険は病気予防や定期的な健康管理を目的とする「健康保険(Seguro de Salud)」と、ケガや病気の治療にポイントを絞った「高額医療保険(Seguro de Gastos Médicos Mayores)」に大別できます。
「健康保険」は予防のための健康診断や検査など予防のための医療サービスをカバーしますが、一方で治療費のカバー範囲は限られます。「高額医療保険」は予防目的ではなく、実際の治療や手術などをカバーします。在メキシコの日系企業には、後者の「高額医療保険」の加入を従業員の福利厚生として採用している企業もあり、この場合、保険料は雇用主が負担します。
高額医療保険は、前述の通りケガや疾病の治療に適応されます。保険の契約内容に応じて免責額(自己負担額)が定められており、名前が表す通り、疾病治療費の総額が免責額を超える高額な費用がかかる場合、補償が受けられる仕組みです。免責額は個人保険、団体保険の違いや保険料の設定によって幅がありますが、
メキシコの2023年の免責額は0.5UMAM~5UMAM(※)=$1,576.85~$15,768.50程です。また、免責額とは別にコ・インシュランス(自己負担額)の割合も設定されており、この率は10%であるケースが多いようです。コ・インシュランスの金額は総額から免責分を引いた額に対し10%(率に関しては変動の可能性あり)です。免責額とコ・インシュランスを足した額が自分で支払う医療費用ですが、コ・インシュランスには上限額が設定されていますので、膨大な額の医療費がかかったとしても一定の金額以上が自己負担になることはありません。
例えば手術で50,000ペソの費用が掛かった場合、約42,000ペソが保険で還付される可能性があります。
保険適用になるかどうかは保険会社の規約や疾病の種類などによって異なります。たとえば病気が疑われる場合、はじめに検査を行い、結果に問題がなく治療がスタートしなければ、予防医療と判断されるため、一般的に高額医療保険は適用されません。他方、検査で疾病が見つかり治療がスタートする場合、その病気に関連するすべての費用は高額医療保険の対象となります。
ケガの治療の場合は、免責やコ・インシュランスは免除されるケースが多いですが、飲酒運転による交通事故のケガなどは補償外となるなど、各保険会社により適用ケースは異なります。
保険の請求は、総額を一旦被保険者自身で支払い、後日に還付を請求する方法が一般的ですが、保険会社の提携病院で入院を要する治療を受ける場合や、提携医師による計画手術での執刀の場合は然るべき手続きをした上でキャッシュレスでの対応も可能です。また、歯科保険が高額医療保険に含まれている場合、支払いは提携病院と事前に定めた割引額を請求時から適用するケースが多いようです。
上限金額や制限はあるものの出産費用やレーシック手術などもカバーされており、うまく使えば日本では保険の利かない医療にも対応可能です。
※ UMAMとはUnidad de Medida y Actualización Mensualの略で、年毎に連邦法で定める支払の金額の決定や計算にあたり参照する経済的な基準(単位)UMAから保険の控除額を算定します。
メキシコの医師は英語を理解する方も一定数おり、英語でコミュニケーションを取れる場合があります。しかし英語であっても医療用語は日常接する機会が少ないため、即時に理解しにくいのではないでしょうか。またスペイン語を話される方であっても、具合の悪い時に難しい医療用語を使いながら意思疎通するのは大変です。
体調が悪い時には、日本人の医師や、日本語の医療専門通訳のサポートを受けられるとありがたいですよね。地域別に日本語が通じる病院、医師および代表的な病院を挙げます。
※情報が変更されている場合があります。ご了承ください。
各地域の病院情報は外務省の医療情報のページからもご覧いただけます。 他にもJAPAN MEDICAL ASSISTANCEが運営する【世界オンラインドクター】というサービスでは、日本語で医師にオンライン相談ができるほか、世界中の主だった病院を検索することができます。
日本は世界的にみて非常に高い医療水準を誇っているため、日本人の方の多くは海外生活における医療面への不安があるかもしれません。しかし医療水準が日本と同様に高いアメリカからメキシコへ「質の良い医療サービスが比較的安価に受けられる」医療ツアーが人気であることからもわかるように、メキシコの医療は一定の水準にあります。
今回はメキシコ在住者にとって知っておくべきメキシコの医療と保険事情についてご紹介しました。病気にかからないこと、ケガをしないことが何よりなのですが、もしもの場合に備える一助になれば幸いです。
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